Unreal Engine(UE5)では、アニメーションの機能を利用できます。
アニメーションは、3Dモデル(3Dのキャラクターやオブジェクト)を動かすものです。
キャラクターに歩行やジャンプをさせるなど、ゲームを作る上では欠かせない要素です。
本記事では、アニメーションの概要について説明します。
なお、Colory Gamesでは、Unreal Engineのアニメーションの入門書をBOOTHで販売しています。
Unreal Engineでアニメーションを作成するために必要となる基礎知識を一冊の本にまとめています。
対話形式で、アニメーション未経験でも理解できる構成としています。
【商品ページ(BOOTH)】 https://colory-games.booth.pm/items/6654509
アニメーションの意味
アニメーションの意味は、場合によりさまざまです。
まず、対象が2DCG(イラストなど)か3DCGかにより、2Dアニメーションと3Dアニメーションに分類されますが、Unreal Engineでは3Dアニメーションを対象とすることがほとんどです。
3Dアニメーションは、広い意味では爆発などのエフェクトを発生させる、物理演算を利用して建物を破壊させる、映画のシーンようにカメラを動かすなど、映像制作全般を意味することがあります。
狭い意味では3Dモデル(3Dのキャラクターやオブジェクト)を動かすしくみ、およびそれらを利用して実装された動きを意味することが多いです。
Unreal Engineにおいて「アニメーション」と呼んだ場合、この狭い意味として使われることがほとんどです。
この意味でのアニメーションの例とは、人型のキャラクターが歩く・走る・ジャンプするといったものがあります。
3Dモデルの手足が動く(変形する)ことで、このような動きを実現しています。
このように、人間や動物などの骨・関節を動かすような動きを実現するのがアニメーションと考えるのがよいでしょう。
アニメーションの用語
アニメーションでは、さまざまな専門用語が登場します。
以下は最低限覚えておくべきアニメーションの用語です。
用語 | 意味 |
---|---|
メッシュ | 3Dモデル(3Dオブジェクト)の形状を表すもので、多数の頂点・エッジ・ポリゴンで構成される |
スタティックメッシュ | 頂点の位置が移動せず、形状が変形しないメッシュ |
スケルタルメッシュ | ボーンにより頂点が移動し、形状が変形するメッシュ |
ボーン | スケルタルメッシュの各頂点を動かすための骨格 |
スケルトン | 親子関係を持つ複数のボーンで構成された骨格構造 |
モーション | スケルタルメッシュ全体(ボーン全体、スケルトン)の動き |
アニメーションは、スケルタルメッシュの頂点をボーンにより動かすことにより、モーションを行わせる作業が中心となります。
たとえば、あるキャラクターに歩行やジャンプといったモーションを行わせる作業です。
アニメーション関連のアセット
アニメーションを実装するために、さまざまなアセットを利用します。
以下は基本となるアセットです。
アセット名 | 概要 |
---|---|
スケルタルメッシュアセット | スケルタルメッシュに関する情報(頂点の情報など)を含むアセット |
スケルトンアセット | スケルトン(ボーンなど)に関する情報を含むアセット |
アニメーションシーケンスアセット | モーション1つ分のデータを含むアセット |
ポーズアセット | ポーズ(ボーン全体の姿勢)のデータを含むアセット |
これらのアセットを利用することにより、スケルタルメッシュにモーションを行わせます。
ほかにもさまざまなアセットが登場しますが、これらのアセットを利用して作るものが多いです。
また、これらのアセットをすべて自作するのは難しいため、アセットの入手方法についても知っておく必要があります。
アニメーションの制御・再生
アニメーションを実装するために、モーションを制御・再生するロジックを作成する必要があります。
具体的には、プレイヤーのキー入力を受けてジャンプモーションを行う、攻撃するときに剣を振るモーションを行うといったロジックを作成する必要があります。
これらの制御・再生は、ブループリントやアニメーションブループリントと呼ばれる機能を用いて行います。
ブループリントはブループリントクラスアセット、アニメーションブループリントはアニメーションブループリントアセットで利用できます。
ブループリントやアニメーションブループリントはプログラミングを行う機能とも言えるもので、実装するためにはプログラミングの理解が必要となります。
モーションの切り替え
実際にゲームで使われているアニメーションは、モーションを切り替えているものがほとんどです。
切り替わり方にはさまざまなパターンがあり、例えば以下のようなパターンがあります。
- 歩行モーションからジャンプモーションに切り替える。
- 歩行しているときに、上半身だけ銃を構えるモーションに切り替える。
- 歩行モーションから走行モーションに、移動速度に応じて徐々に切り替える。
- 複数の剣を振るモーションを連続で再生する。中断するタイミングにより剣を振る回数を切り替える。
モーションの切り替えは、複雑なアニメーションを実現する上では欠かせないものです。
このような切り替えを行う機能として、代表的なものとして以下があります。
これらの機能はアニメーションブループリント上で利用します。
機能 | 概要 |
---|---|
ステートマシン | 複数のステートから構成され、ステートを切り替えることでモーションを切り替える |
ブレンド | 複数のモーションを組み合わたモーションを作り出す |
スロットアニメーション | 再生命令を受け取ったときのみモーションを切り替える |
アニメーションモンタージュ | 複数のモーションを結合して1つのモーションを作り出す |
多くのアニメーションはこれらの機能を用いて実装できます。
ほかにも複雑なモーションを実現するための発展的な機能として、コントロールリグなどがあります。
入門書の紹介
Colory Gamesでは、Unreal Engineのアニメーションの入門書をBOOTHで販売しています。
ここまでに紹介した機能やアセットの用途や利用方法などについて、詳細かつ体系的に説明しています。
対話形式で、アニメーション未経験でも理解できる構成としており、基本的なアニメーションはこの本1冊で実装できるようになります。
無料で試し読みも可能ですので、ぜひ読んでみてください!
【商品ページ(BOOTH)】 https://colory-games.booth.pm/items/6654509